プロパンガスの配管材料

プラスチック被覆鋼管

プラスチック被覆鋼管には、3種類がある。

  • ・塩化ビニル被覆鋼管
  • ・ポリエチレン被覆鋼管
  • ・ナイロン被覆鋼管

ガス用ポリエチレン管

特性

ガス用ポリエチレン管は、可とう性があって柔らかいので、ある程度の地盤沈下や地震などにも十分対応できる。

設置できる場所

熱に弱いため、屋外露出配管などには使用を禁じられている。

埋設部に使うとき

埋設部に使用するときは、「さや管内」とする必要がある。つまり、菅の上に「そで」(スリーブ)を施さなければならない。

釘打ちの恐れのある場合

釘打ちの恐れのある場所には、金属の防護板、穴あけの恐れのある個所には、防護管その他の防護措置を講ずること。

プロパンガスのホース類

低圧配管用継手金属製フレキシブルホース

金属フレキシブルホース

主に末端ガス栓と湯沸器、レンジなどの固定式燃料器を接続するために用いられる。

低圧ゴム管

移動式の燃料器(ガステーブルやガスストーブ)に使われる。

注意:LPガスはゴムを溶かすため、内面に特殊はコーティングをしてある。都市ガス用のホースをLPガスに使ってはいけない。

プロパンガスのバルブ、ガス栓

過流出安全機構付ガス栓(ヒューズガス栓)

ラムネの瓶のような方式

圧力計

・30分以内に現場に駆けつける
・6か月に1回以上点検

機械式自記圧力計

記録として残すことができる。

温度変化に関する注意事項

ボイルシャルルの法則により、温度と圧力は比例する。圧力の低下は、温度差によるものかも知れない。

維持管理

6か月に1回以上、マノメーターと比較検査を行って合格することを確認する。

電気式ダイヤフラム式自記圧力計

温度を補正してくれる。

設置上の注意

直射日光、冷暖房による温度変化を受けやすい場所は避け、圧力計の温度と気温に差がある場合は、圧力計の温度が気温に近づいてから使用する。

圧力測定時の注意事項

配管内の温度が1度上がったら、圧力は0.36キロパスカル上昇する。
このため、温度が10度から20度になったら、3.6キロパスカル増える。

ガス検知器

2種類ある。

半導体式ガス検知器

特徴が重要。

半導体式ガス検知器は、微少漏えい個所を発見することを目的に開発された。極めて感度の高いガスセンターの特性を生かし、メーターでなく、音響とランプでガスの存在を知らせてくれる。ガス漏れ個所を探知しやすいようになっている。

ボーリングバー

コンクリートの中の配管は、ボーリングバーで穴をあけてガス漏れを検知する。

パイプロケータ

ボーリングを行う場合、埋設管の位置を確認する必要があり、画面で正確な位置が不明なときは、パイプロケータ(埋設管検知器)により埋設管の位置の確認を行う。(深さも分かる)

CO濃度測定器

目的

不完全燃焼防止装置(不燃防)未装着の開放式燃料器におるCO中毒事故が多いことから、これらのCO中毒事故防止は重要な課題。この有効な手段として、CO濃度測定がある。

測定対象器具

開放式湯沸器および開放式ガスストーブ(不燃防機能が装着されていない燃焼器)

ガス漏れ警報器

法令関係

ガス漏れ警報器の性能

警報濃度

ガス漏れ警報器は、警報濃度に達すると警報ブザーが鳴る。LPガスの爆発下限界の濃度2.1%の4分の1で警報を発することになっている。(ちなみに、上限は9.1%)
警報が鳴ったら、ガス栓を閉めたり、換気などをしたりする。

警報器が鳴ったら

・すべての火を消し、ガス栓、容器バルブを閉じる
・扉や窓を開いて換気
・換気扇は付けない。スイッチを入れることで、着火源になる恐れがある。

不完全燃焼警報器

不完全燃焼警報器は、一酸化炭素(CO)事故防止の有効な手段です。

種類

複合型警報器

複合型警報器は、ガス漏れ警報器と不完全燃焼警報器を組み合わせたもの。

設置場所

不完全燃焼警報器は、燃焼器の真上や排気・湯気・油煙などが直接あたるおそれのある場所には、置いてはなりません。湯気などによって、ガスが薄められてしまい、正確な測定ができなくなるからです。

ガス放出防止装置(地震対策)

ガス放出防止装置(ガス放出防止器とガス放出防止型高圧ホース)は、大規模地震や風水害、雪害などに際して、容器の転倒や供給管・配管の破損による多量のガス放出を防止するためのものです。

ガス放出防止器とは

ガス放出防止器には、過流式と張力式があります。張力式は、くさりがちぎれたら作動します。

ガス放出防止型高圧ホースとは

最近、国が地震などの災害対策としてオススメとしているのが、ガス放出防止型高圧ホースです。

張力式

張力式のガス放出防止型高圧ホースは、地震や落雷などによって容器が転倒するなど、高圧ホースに所定の引張力が加わると、防止機構が作動してガスを遮断します。

配管自己防止用安全機器

流用検知式漏えい検知装置

流量件知識切替型漏えい検知装置

流量検知式切替型漏えい検知装置は、「親子式差圧調整器」と「漏えい検知部(マイコンメーター)」とで構成されています。
親子式差圧調整器は、設定圧力を少し高くした子調整器と、親調整器で構成され、微少な流量(子調整器の容量以下)のときは子調整器のみからガスが供給されるようになっています。

マイコンメーター

マイコンメーターは、都市ガス、プロパンガスとも、ほぼ全家庭に設置されています。震度5強以上の揺れや、大量のガス漏れを検知して供給を遮断します。

ガスの臭いがしたら窓を開けて換気

ただ、作動しないケースもありうるので、家庭内でガスのにおいがした時には窓や戸を開け、換気することが必要です。その際、換気扇を動かすと、スイッチで発生する火花から引火する恐れがあります。他の電気器具のスイッチもつけたり消したりしてはいけません。(小山守生)

プロパンガスの燃焼

「過剰空気」による燃焼排ガス量

燃焼器(ガス器具)によりプロパンガスを燃焼するとき、理論空気量の20~30%の過剰空気が必要である。

ガスの燃焼方式

セミブンゼン方式

セミブンゼン燃焼は、「ブンゼン燃焼」と「全二次空気式燃焼」との中間で、一次空気の率が約40%以下の内炎と外炎の区別がはっきりしない燃焼方式のことです。

全二次空気燃焼

全二次空気燃焼は、ガスをそのまま大気中に噴出して燃焼させる方式です。

プロパンガスの器具(家電)

安全装置の種類

空だき安全装置

風呂釜が空だきした場合に、風呂釜が損傷したり、火災などの危険が生じたりする前に、バーナへのガス通路を閉じる。

立ち消え安全装置

風呂釜や湯沸器には、立ち消え安全装置を取り付けることが義務付けられています。「生ガス」の流出を防止します。

フレームロッド式

フレームロッド式は、炎の導電性と、炎の整流性を利用して、パイロット炎の検知を行う方式です。

不完全燃焼防止装置
開放燃料式瞬間湯沸かし器の不完全燃焼防止

換気不良による室内の酸素濃度の低下または熱交換器のフィン詰まりなどによって、バーナが不完全燃焼すると、自動的にガスを遮断し、不完全燃焼による一酸化炭素(CO)中毒事故を防止する安全装置を備えた瞬間湯沸し器です。